母は二度奪われる
更新日:2020年10月4日

はじめまして。僕は山田一郎といいます。
本日から、この辺りでは大変な名家である高宮家のお屋敷で住み込みの使用人として働くことになりました。
高宮家ではつい最近、ご当主の高宮幸宏さんが亡くなられ、未亡人となった奥様と、幸宏さんの前妻とのご子息である孝宏さんの二人でこの大きなお屋敷に住まわれています。

「山田さん、おはようございます。」
「あっ、奥様…おはようございます!」
「今日からよろしくお願いしますね。」
「はい、奥様。」

この方が高宮家の未亡人、高宮慶子さんです。
そして、僕の産みの母でもあります…

昔、僕の父は高宮家から大きな借金をしました。
父は、利息の代わりに村一番の美しい母を愛人として貸し出していました。
その後、父は夜逃げをし、母は先妻を亡くしたばかりの高宮家当主、高宮幸宏さんと再婚しました。
残された僕は、幸宏さんの情けで高宮家のお屋敷の離れの物置蔵で生活することを許されました。

母と僕は、同じ屋敷の敷地の中で生活しているものの、普段はほとんど顔を合わすこともできませんでした。
食事も、僕は一人で蔵の中で食べていました。
母は僕に、これからはお母さんではなく奥様と呼ぶよう命じました。
幸宏さんと、その先妻との間の一人息子で、僕と同い年の孝宏さんに配慮してのことだと思います。
閉鎖的な村で、父の借金という鎖につながれた僕たち母子が生活するには、そうする他なかったのだと思います。
夜になるといつも、母屋の方から母の泣き声のようなものが聞こえてきました。
幼かった僕は、母が幸宏さんに虐められているのだと思い、とても悲しい気持ちになったものです。

そんな毎日でしたが、月に一度ほど、村の寄り合いや、習い事などで幸宏さんも孝宏さんも家を空けることがありました。
そんな時、母はこっそり私を自分の部屋に招いてくれるのです。
滅多に無い母子二人だけの時間…
この時だけ、僕は母のことを「お母さん」と呼ぶことを許されました。
僕はわけもなく、何度も「お母さん」と呼びかけたました。

中学生になると僕は、幸宏さんの勧めで県外の全寮制の学校に進学することになりました。
学費はすべて、幸宏さんが援助してくださることになっていました。
母と別れるのは辛かったですが、自分が母の新しい家庭の異物であることを自覚し始めていた僕は、幸宏さんの言う通り、高宮家を出ることにしたのです。
その方が、母のためだともわかっていました。
それから時は経ち、高校卒業を控え就職先を探していた折、母から幸宏さんの訃報が入りました。

葬儀のために高宮家に戻ったとき、母から使用人として高宮家で働かないかと誘われました。
中高の6年間、母と会えるのはお正月休みの時だけだった私にとって
毎日のように母と顔を合わせることができる環境は願ってもないものでした。
気がかりなのは、幸宏さんの死後、高宮家の当主となった孝宏さんは賛成してくれているのか、という点です。
しかし、母曰く、その点も問題はないとのことでした。
ただ一つ、お屋敷の中では以前と同じように、母のことは奥様と呼ぶこと。
それが、雇い入れの条件でした。
そんないきさつで、今日からまた僕は、高宮家で生活することになったのです。
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最近アマプラで市川崑監督の金田一シリーズを観ています。
元々、映画が好きで仁義なき戦いシリーズなどそこそこ古い邦画も観るのですが。金田一シリーズにはまだ触れたことがありませんでした。
石坂浩二さんというと「なんでも鑑定団でなんか騒動があった人だな」くらいのイメージしかなかったのですが、素敵な俳優さんですね。
ただ、石坂浩二さんや映画のストーリーより目を引くのは、映画に出てくる着物姿の美熟女の方々です。
草笛光子さん、岸恵子さん、司葉子さん…どの方々もおばあさん役でしか知りませんでしたが、皆さんの色気の凄さには驚きます。
そんなわけで、今回のストーリーは金田一シリーズに出てきそうな閉鎖的な村社会の着物お母さんを主役にしました。
ストーリーは、これまた邦画の傑作、黒澤明監督の「用心棒」に登場するある家族から着想を得ました。
若干長くなるのでまったり更新していこうと思います。
AVで着物熟女の名作というとこちらでしょうか。着物×(上品な)淫語という素晴らしい組み合わせです。
同人だとこちら。autobahanさんの作品好き過ぎ問題はありますが…現在半額セール中です。
あとついでに同人音声も。品のいい着物熟女の夜の顔を思い浮かべて聴くのがオススメです。